企業型DCについて

企業型確定拠出年金とは


確定拠出年金(DC)は「確定拠出年金法」に基づき、公的年金の上乗せ給付を目的として2001年から開始した私的年金制度のことです。


確定拠出年金には個人型と企業型があり、個人型については「iDeCo」の愛称で知られています。


iDeCoでは20歳以上65歳未満の国民年金被保険者であれば誰でも加入できるのに対し、企業型DCは勤め先の企業・法人で導入されていなければ加入することが出来ません。

加入が制限されている代わりに、掛金の上限等の面においてiDeCoよりも優遇されています。

他の制度と比較したときの確定拠出年金の特徴は?

一言で申し上げると、「老後に向けた資産形成として最適な制度」です。

デメリットとメリットを集約しますと以下の点が挙げられます。

・原則60歳まで引き出すことが出来ない

・税制優遇を受けながら自身で資産運用することが出来る

順にご説明します。


原則60歳まで引き出すことが出来ない

確定拠出年金は任意で途中解約することは出来ません。

たとえば個人年金保険などの場合、元本割れこそするものの途中解約は可能ですので、この点の使い勝手についてはデメリットであると言えます。


60歳より前にお金を引き出せるケースは以下の3つです。


①障害給付金

高度障害(両目がほぼ失明など)を負った場合に受け取ることが出来ます。


②死亡一時金

万が一お亡くなりになった場合はご遺族の方に支払われます。


③脱退一時金

所定の要件を満たした場合は例外的に受け取れますが、要件のハードルが非常に厳しいです。


なお、引き出すことは出来ませんが掛金額を変更することは可能です。

マイホーム購入資金や教育資金など、60歳以前に必要になる資金については別の方法で用意し、確定拠出年金は余裕を持った範囲内での掛金設定とすることをお勧めします。

税制優遇を受けながら自身で資産運用することが出来る

確定拠出年金における非常に大きなメリットです。

税制優遇と資産運用について分けてご説明します。


税制優遇について

①掛金拠出により、所得税と住民税が軽減される

②運用益が非課税(通常、投資信託等の運用益に対して20.315%の税金がかかります)

③給付時も各種控除の恩恵を受けられる。



自身で資産運用を行える

掛金の運用を加入者ご自身で行う点が他の制度と大きく異なります

そしてこの運用成績が、将来受け取れる金額となります。


運用と言っても難しいことではなく、実際には商品(投資信託)を選び掛金の配分を設定すれば自動的に買い付けが行われます。



運用成績によっては拠出した掛金を下回る場合もありますので、実際に企業型DCに加入している方々の成績がどれほどなのかは気になるところだと思います。


これにつきましては既に数万人を対象とした調査結果があり、2001年の制度発足以来の平均として、4.3%(年率)となっております。※

※企業年金連合会 確定拠出年金実態調査結果(概要)より

https://www.pfa.or.jp/activity/tokei/files/dc_chosa_kessan2020_1.pdf



また、年率4.3%で毎月2万円を拠出し20年間運用した場合、結果は以下のグラフの通りになります。

元本480万に対して運用成績は758.5万円と、大きな差が生まれています。

なお、この年率4.3%という数値は「投資について勉強せずに運用している人」も含んでの平均値です。

適切な投資を学ぶことにより、更に運用成績を伸ばすことは十分に可能です。


当オフィスでは、従業員様への投資教育につきましても責任を持ってお引き受けいたします。

導入の相談や質問など、いつでもご相談頂ければと思います。